おらこんな村いやだ~♪幼少期(+α)編
肥溜め(こえだめ)って知ってます?
まあ知ってても、見たことのない人がほとんどだと思います。
今は、ほぼほぼ水洗トイレですからね。
おトイレに流すものを、溜めておく設備のことです。
実はこの肥溜め、昔実家にあったんです・・・
なので、トイレといえば当然
「ぽっとん便所」
いわゆるくみ取り式のトイレでした。
今思えば、臭くて怖いところだったなぁ~~
子供の頃は、穴から引きずり降ろされたどうしよぉ~~~
って、夜は怖くて入れませんでしたw
現在でこそ全国の水洗トイレの普及率は、90.7%だそうです。
(総務省統計局の調べによる)
50年前は資料が見つからなかったのでわかりませんが
相当低かった事は間違いないです。
で、私の実家はこの「ぽっとん便所」に溜まったものを
長いヒシャクで汲み上げ、それを桶に入れ
天秤棒で担いで「肥溜め」に移していたわけです。
当然人力で。
↓↓↓↓↓たしかこんな道具でした↓↓↓↓↓
(プラスチックだったような?)
それは重労働だったと思います。
やりたくもなかったはずです。
重かったでしょう。匂いも相当きつかったと思います。
バキュームカーで吸い上げ、
お金を払って処理してしまえばそれで終わり。
でも、父母はそれをしませんでした。
何故でょう?
それは、「肥溜め」で発酵させたものを、
肥料として畑にまくためです。
当然また肥溜めからそれを汲み上げ、
桶に入れて、天秤棒で担いで畑にまきます。
すごい重労働です。いったい何キロあったんでしょう?
上の写真の様な木製で
江戸東京博物館に展示されているものは
なんとそれだけで【26Kg】もあるそうです!!
内容物を入れたら、軽く50~60Kgになっちゃいますよ!!!
ま、マジか・・・・・
大人の男一人分の体重じゃん・・・・
ちなみに、江戸時代は農家が都市部の長屋などから、
屎尿を購入することも行われていたそうです。
処理をしてもらって、それがお金になるなんて
今とは真逆の世界ですよね。
江戸時代の事は、今の日本人はあまり良いイメージを
持っていないかもしれませんが、
天下泰平、260年続いた徳川幕府。
そこでは完全な循環型社会が出来上がっておりました。
もちろん食料自給率100%。
鎖国をしていましたから、今のように輸入に頼る事なく、
それでも国内の資源を最大限活用し、
あれだけの文化を発展させてきたのです。
激動の世の現在、江戸に見習うところは多々あると思います。
少し話がそれてしまいました。
私の実家も、当時は循環型だったわけです。
しかしこの自家製肥料。
当時はものすごく嫌でした。
そして恥ずかしかった。
友達に知られたくなかった。
なにせ自宅の裏の畑にまくわけですから、
それはそれはかぐわしい香りがするわけです。
一度まいてしまえば、当然しばらくそれは続きます。
やがて鼻が慣れてしまいますがwww
でも友達に知られたら馬鹿にされるんじゃないかとか、
いじめられたり、仲間はずれにされたくないとか、
そんな事を考えていたと思います。
共働きで疲れているはずなのに、
朝は田畑へ、休みの日にも田畑へ。
そして時には自家製肥料DAY(笑)
今では感謝しかありませんが、
当時少年だった私は、自分のことしか考えない
とても身勝手で、自己中心的で、許容範囲の狭い人間でした。
少年時代の1970年代は、高度経済成長が終わり、
日本も先進国の仲間入りを果たし、経済を中心に物が回りだす中
私の中ではこんなイメージが固まっていました。
農家なんてかっこ悪い!ダサい!臭い!疲れる!貧乏!
友達とも遊べないし最悪!!!
そう、絶対にしたくない仕事第一位になったのです。
それが東京への憧れをどんどん強くしていったのです。
つづく